2022年08月
2022年08月06日
青野原陸軍演習場高岡廠舎(青野原俘虜収容所)遺構探索レポ日記
兵庫県加西市にあった青野原陸軍演習場高岡廠舎の遺構を探索してきました。
青野原陸軍演習場高岡廠舎は明治32年に開設された青野原陸軍演習場の演習廠舎であった大門演習廠舎が手狭になったため、明治45年に新たに設置された演習廠舎でした。
※兵庫県加西市・青野原陸軍演習場高岡演習廠舎遺構探索レポ日記
大正3年、第一次世界大戦の俘虜として日本に来たドイツ軍俘虜をしゅうようするため、高岡演習廠舎の南側に新たに青野原俘虜収容所が建設されました。大正8年、青野原俘虜収容所の閉鎖に伴い、俘虜収容所の施設はそのまま高岡演習廠舎として再利用されました。
昭和初期頃の高岡演習廠舎正門。
昭和初期頃の高岡演習廠舎正門と廠舎建物。
※祖父の一等兵時代の日記にある青野原陸軍演習場の記載(昭和14年11月9日)
昭和に入っても青野原陸軍演習場は祖父が在籍した福知山市の歩兵第20連隊はじめ、各地から部隊が演習に来たようで、それらの兵士を収容する廠舎施設が必要だったようです。
青野原陸軍演習場高岡演習廠舎は戦後、大門演習廠舎と同じく住宅地となって現在に至り、大門演習廠舎ほどではないですが、演習廠舎時代の建物や遺構がいくつか残ります。
※青野原陸軍演習場高岡演習廠舎遺構位置図。
以下はこの遺構位置図に従い紹介します。
�‐骸坊�物1。民家の一部となっています。
裏側。
�⊂骸坊�物２。こちらも民家の1部になってますが、外観は当時の姿を留めています。
廠舎建物の前にある煉瓦の井戸枠のある井戸。
��将校用風呂棟。兵庫県登録文化財として高岡演習廠舎で唯一内部公開されている建物。
将校用風呂棟の内部。
かまど?風呂の焚口にしては位置がおかしい。後世のものかも。
浴槽。現代のユニットバスより狭いです。
�ぐ羝唯院�将校用風呂棟の向かいにあります。
�グ羝唯押Ｌ渦箸良瀉脇發砲△蠅泙后�
�Ε灰鵐�リート基礎。何かの建物の基礎だったのが残されています。
��貯水槽。高岡演習廠舎の北側にありますが、戦後のものかもしれません。
ちなみに大門演習廠舎の外周には陸軍の境界杭が何本も残されていますが、高岡演習廠舎では1本も見かけませんでした。
高岡演習廠舎は大門演習廠舎より遺構の数は少ないですが、俘虜収容所だったという歴史的経緯があったためか、大門演習廠舎には全くなかった案内板や説明板が設置されており、見学しやすくなっています。
