2007年04月14日

ゲゲゲの鬼太郎5期感想と民俗学としての妖怪

ネコ娘がやたら可愛くて萌えると各所で評判の
ゲゲゲの鬼太郎の第5期アニメですが、
関西でもようやく放送始まりましたので見てみました。
ネコ娘のキャラだけでなく、話も面白いとの評判でしたので。



第1話を見た感想は、やっぱり内容も面白かったですね。
水虎という妖怪を退治する話ですが、その妖怪を目覚めさせたきっかけが悪ガキのイタズラ。祠を倒して川に沈めたことにより水虎の怒りに触れたわけです。

私にとって、鬼太郎は第3期(夢子ちゃんがでるやつね)が一番馴染み深いんですが、(ネット見てたら、第3期が一番馴染み深いという人がかなり多い)第3期はかなり子供を意識したつくりだったのか、鬼太郎は無条件に人間の味方で(人間側がどんな理不尽でも)3期オリジナルキャラも子供を意識したものでした。
しかし、今期は原因を作った子供にきちんとけじめをつけさせるといった流れで年取った今の自分にはこっちのほうが合ってますね。鬼太郎もどこか影のある感じで、人の味方はするが、あくまで妖怪は怖いものという位置づけが私は気に入りました。

実は、この(妖怪は恐ろしいもの)ということは非常に重要な意味を持っています。ここからは、水木しげる先生の作品としての話ではなく、民俗学的な話になりますが、なぜ、妖怪は恐ろしいのか。その理由の一つとして「戒め」や「教訓」があります。

鬼太郎の作品には数多くの妖怪が出てきますが、その多くが日本各地で伝承や民話などで伝えられてきたものです。その妖怪たちには土着の神々・怪異な現象・都市伝説的なものなどさまざまなものが多いですが、そのなかには、「怠け者が死んだ後に妖怪化」とか、「うち捨てられた器物に霊が宿り妖怪化」また、「山や川を荒らされることで山や川の精霊や神が怒り、妖怪化」なと、道徳的なものを含んだ妖怪がありますこれらは何を意味するか。要するに「○○してはいけません」というよりも「○○していると○○という妖怪がやってきてさらわれる」などと言ったほうが非常に効力があるわけですね。1話の祠を壊した悪ガキの話にも繋がりますが、親や古老が若者や子供を戒めるときに目に見えない人知を超えた畏怖的なものを持ち出すことにより指導して言った背景があるんです。しかし、科学的なものがどんどん発展していくと妖怪は「ただ怖いもの」へと役割が変わり、さらには「ただの伝説」へと役割を変えてしまいました。とりぱんの作者が作中で「近頃の怖い話は次々と呪い殺される話ばかりで、悪いことをすると○○が山から下りてきてとって食われるというのを聞かなくなり」 「とって食うことばかり考えてとって食われることを考えなくなったモノはいつか誰かに退治されてしまうきがする」と書いていましたが、とって食うことしか考えなくなることへの歯止め役がまさに妖怪がになっていたわけですね。

各地で伝えられてきた妖怪については、水木しげる先生の講談社発行「図説・日本妖怪大全」が民俗学的にしっかり調べてあって面白くかなり役に立ちますが、その本を見ていると都市で伝えられた妖怪と地方の田舎で伝えられた妖怪では違いがあるのに気がつきます。

江戸などの都市の妖怪はいわゆる「都市伝説」的な妖怪が多く、「怖い妖怪を怪談として楽しむ」傾向があるのに対し、地方の妖怪は教訓的な妖怪が多いというのがいかにも都市と田舎の性格が出ていて面白いと思いましたね。

ちなみに、この日本妖怪大全に載っている妖怪で一番新しいのが「口裂け女」しかし、この現代においても少し前の「人面犬」や「テケテケ」など次々と新しい妖怪が生まれているのを考えると、人がいる限り妖怪は永遠に不滅なんでしょう。
(ここ最近の都市伝説は妖怪の類がでてこない妙にリアルな話なのがちょっと寂しいところですが)

都市伝説的な妖怪も面白くて好きですが、私としては地方の田舎の「戒めてきな妖怪」の復活こそが現代に必要なんじゃないかなと思ってます。



besan2005 at 09:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック (旧版)その他 

この記事へのコメント

1. Posted by 懐畔泥鰌@携帯   2007年04月16日 13:19
携帯からなので多くを書けませんが…。私は第一期から知っています…たぶん。単行本持ってたし…。ウルトラマンもそうですが、時期によって主題の表現の仕方が違いますね。初期の頃も鬼太郎は妖怪としてのアンデンティティは色濃く持っていながら、人間との橋渡役だった記憶があります。民族学的見地からのご意見は私も同感です。ただ、古代の人々が持っていた畏れの気持ちを儒教や仏教を導入して更に理屈付けした感があります。
2. Posted by べーさん   2007年04月17日 00:00
>>懐畔泥鰌さん
第1期って、白黒のヤツですね。
さすがに私は・・・。
これだけ息が長いと各時代に合わせた感じになりますね。

>>古代の人々が持っていた畏れの気持>>ちを儒教や仏教を導入して更に理屈>>付けした感があります。

あー、それ完全に抜けてましたね。
仏教の説法の影響はかなり大きく受けている部分もあります。悪いことをすると地獄に落ちるとかそういった戒めを妖怪に求めたりとか。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新の記事
最新のお客様のご意見