2008年02月27日
たとえ兵器だったとしても、立派な産業遺産。
つい最近知ったのですが、去年の10月、土浦の自衛隊武器学校で
旧陸軍の八九式中戦車が動態復元されたそうです。
以下、動画転載。
見学に行かれた方が撮影した映像がYouTubeにUPされてました。
エンジンや駆動系はさすがに現代のものに交換されていると思いますが、
80年前の戦車が動いているのをこうして見れるのはすごいと思います。
これを見ているといつも思うのですが、軍事関係のものは産業遺産や
文化財として認められないんですよねぇ。特に兵器類は。
師団司令部や偕行社、連隊本部などの建築物は「近代建築」「近代化遺産」
としてすでに文化財として認められ、戦跡や空襲跡を残す構造物は「戦争遺跡」
と呼ばれ、主に負の遺産として史跡指定されているものもあります。
しかし、兵器自体は記念艦三笠を始め文化遺産として認められてません。
やはり、兵器という負い目からなんでしょうかねぇ。
私としては、そういった固定観念からいい加減離脱して、当時の最先端の工業技術、造船技術の形を残す貴重な「産業遺産」として認識すべきだと思ってます。
すでに、機関車に関しては鉄道博物館所蔵の「1号機関車」加悦町の「2号機関車」は、貴重な明治初期の機関車として重要文化財に指定され、明治丸も重文。氷川丸は横浜の歴史遺産に認定されていたと思います。
商業・軍事という差から中々躊躇するんだろうと思いますが、兵器は当時の最先端の技術で作られるものであって、上記のとおり当時の科学技術を知る貴重な資料となりえるものです。そろそろ認識改めてもいいんじゃない?と思いますが
如何でしょうか?
そういえば、ロシアのエルミタージュに、アサルトライフルのAKが展示されていると聞きましたが・・・・
*この映像見ていたら、爺さんが軍隊時代に戦車の車長をやっていた時期が
あって、そのときの訓練のエピソードなどを聞いたことあります。
爺さんは戦地へは行くことなく、ずっと内地勤務でしたので、あくまで連隊での訓練の話でしたが、中々興味深く面白い話でした。
この記事へのコメント
確かに日本では敗戦後戦争に関連するものを毛嫌いする傾向がありますからね^^;
ただ世界の文明は戦争やそれに近い戦で発達してきた事を考えると、自分もべーさんの言うように遺産として遺したほうがもっと日本人が戦争とは何かを自分で考えるキッカケにもなっていいような気がします。
ただ毛嫌いして避けるだけでは進歩がないと思います
若造が失礼しました
はじめまして!コメントありがとうございます。
私と同意見の方がいらっしゃったことに嬉しく思います。
確かに戦争は否定すべきものであることは間違いないのですが、
同時に科学技術の進歩と軍事兵器の
進歩は切っても切れない関係にあります。
そのあたりを割り切って負の遺産という方面ばかりでなく、「産業遺産」という面からも注目していかなければならないと思ってます。
溶接技術も軍事兵器が先駆けてやってますし、ジェット機は軍事が最初です。
旧軍施設の建築物に関しては、「近代化遺産」という評価で、旭川偕行社・善通寺偕行社・近衛師団司令部第九師団兵器庫などが重文、そのたの軍事施設も府県指定文化財や国登録文化財になっていたりします。
にーぱいあーるさんのおっしゃるとおり、毛嫌いだけでは進歩はありません。
兵器は最先端技術の結晶です。
当時の技術力を知り、残すことは歴史を辿る上でも重要な事だと思います。
戦後(つまり現在)日本で民生品として開発されている技術も最先端軍需技術に転用されます。
日本は大量生産してコストを下げるので諸外国としては驚異でもあります。
使われ方次第です。
線引きは人の意識が決めるものです。
ちゃんと歴史と向き合って来ていない証でもあると思います。
科学技術、産業遺産を研究している方は、当時の兵器も研究対象に入れているかたも多いと思います。
民生品が軍事兵器に応用されたり、その逆なんていうのは数多の例があります。
電子レンジやカーナビ、インターネットもそう。
とあるサイトで、公共施設や民間施設にうまく転用されて、街の活性化に使われている旧軍の建物を、建物や活用している人たちを頭ごなしに否定して取り壊してしまえと言っている人を見たことがあります。私は愚かだと感じました。この人は感情論や固定観念でしかものを考えられないんだなぁと。書いていた近代化遺産についても誤認があったし。