2019年02月09日

奈良市内某所にある明治〜大正期築の廃墟の洋館・探索レポ日記

奈良市内の廃洋館航空写真














その廃洋館を知ったきっかけは奈良市内の近代建築を探索するため、事前にGoogleMapで調べていて見つけたことからでした。航空写真からも分かる大規模かつレベルの高いその洋館に興味を持ち、近代建築関連のサイトを色々検索しましたが全くヒットせず。とりあえず先月、奈良市内の近代建築探索の際に訪問。洋館は廃墟となってましたが、その際はさっと見て撤退。しかし1ヶ月後、やはりどうしても気になり今回再訪することにしました。
その間、この謎の廃洋館について調べましたが近代建築・廃墟サイトとも中々ヒットせず、かつて飲食店だった時の店名で調べたら僅かですがヒットしました。
そのブログの記事は13年前のもの。まだ飲食店として使用されていた時に入られた方の記事で、店主のお婆さんの話では建物は明治時代のもので、戦後は進駐軍に接収されたこともあったとか。ブログには店内のかつての姿の写真もあり、確かに天井の照明の座繰りや暖炉を見ると戦前の物らしく見えました。
無題





国土地理院公開の昭和21年米軍撮影の航空写真を確認して見ると、確かに件の洋館は写っています。
明治期の建物かは分かりませんが、戦前の物であることは間違いないかと思います。
(※別サイトにて奈良市近代化遺産調査報告書に記載があり、明治〜大正期の築とのこと)
調べるとどうも10年位前に廃業したようです。私が訪問した時はすでに廃墟と化し荒れていました。
※知っている人は知っている物件の様で、現役の頃に何度か行った人の証言もありましたが、不埒者に荒らされることを防ぐため詳細な場所やかつての店名が分かる部分は伏せます。
具体的な場所に関する質問にもお答えかねます。
1奈良市内某所の廃洋館










廃洋館に至る門。こちらは和風。戦前の屋敷には洋館でも門が和風だったりするのは普通でした。
飲食店だった頃はここが入り口で、今でも店名の扁額が掲げられています。
2奈良市内某所の廃洋館










洋館東面。前回行けず今回確認したかった東面は付属屋等で塞がれ確認出来ませんでしたが、たまたま隣の敷地の門(ここもかつてはお屋敷があったようです。)が開いていたためそこから撮影。出窓らしき張り出しが見えます。
3奈良市内某所の廃洋館










洋館西面。西側は改装されているようですが屋根や軒周りは当時の面影が残されています。屋根は日本瓦葺き。最近建てられた洋館ならスレート葺きになるので、この洋館が古いものであることが分かります。
敷地への入り口は扉の無いコンクリートらしき門柱のみの門。「立ち入り禁止」等の看板も何もないため、外観だけでもと前回同様お邪魔することに。
5奈良市内某所の廃洋館










西側の入り口。洋館自体の規模が大きいため、建物を分けてこちらも別の飲食店として使用されていたようです。西面は外観が大きく改修されており、あまり面影がありません。
6奈良市内某所の廃洋館













西側を過ぎ、南側へ。GoogleMapで確認した塔屋っぽい張り出しが2つ並ぶいかにも戦前の洋館と言った雰囲気。最初にGoogleMapで見たときは震えました。
7奈良市内某所の廃洋館













反対側から。一部窓が改修されていますが、当時の上げ下げ窓も残されています。
庭木であった梅が花を咲かせていました。
9奈良市内某所の廃洋館










正面から。
8奈良市内某所の廃洋館










南側は中庭だったようで燈籠などもありましたが、管理者がいなくなり放置された今では庭木も伸び放題で、引きが取れませんでした。
IMG_1191










南面の東側には接続している付属屋へ入る入り口が。ここを入ると気になる東側に行けるはずですが、さすがに行けませんでしたね私は。
10奈良市内某所の廃洋館













西側から南側へとつながる階段。再び元の場所に戻ります。
11奈良市内某所の廃洋館










北側へとつながる小さな門。ここを通ると最初に紹介した和風の門の裏側、かつて飲食店だった時の玄関へと至ります。
12奈良市内某所の廃洋館










洋館北側。煉瓦造の大きな煙突が目立ちます。
13奈良市内某所の廃洋館













かつての玄関口。こちらが本来の洋館の玄関だったと思われます。
玄関の屋根が落ちて傷んでいます。廃業して管理されなくなってからかなりの時間が経ったことが分かります。
柱頭飾り











洋館角の2階部分には柱頭飾りがあります。最近建てられた洋館だとここまでこった装飾はまずしません。
16奈良市内某所の廃洋館










2階窓部分。2重扉になっています。窓は当時の物のようです。
14奈良市内某所の廃洋館










玄関を東方面を向いて撮影。玄関車寄せの柱や手摺も凝ったものです。
15奈良市内某所の廃洋館










玄関床のタイル。黒島模様のものです。
17奈良市内某所の廃洋館










窓から内部を撮影してみました。長年放置された窓はホコリだらけで、カメラを窓に当ててもうまくピントが合わない。何回か撮影して何とか内部が撮影できました。内部は現役だった頃の写真のままで、竣工当時のままと思われる暖炉や天井のシャンデリアの座繰りがそのままでした。
19奈良市内某所の廃洋館













18奈良市内某所の廃洋館













20奈良市内某所の廃洋館







スマホで撮影した写真の方が幾分マシのようだったので掲載。雑多にはなってますが、飲食店だった頃の雰囲気は残されてました。戦前の住宅だった時代の名残も良く残されています。

この廃墟の洋館はブログの情報では明治期とのことですが、見た感じでは大正期のように思えました。それでも戦前の大規模洋館であることは変わりはなく、廃墟と化して痛み始めてはいるもののまだ状態は良く、奈良市内でも屈指の戦前の洋館であり貴重な近代建築であることには変わりません。進駐軍も接収した経緯のある洋館だけにレベルの高さが伺えます。しかし、元々誰の屋敷だったのか、具体的な竣工年はいつなのか、設計者は?など洋館そのものの詳細な経歴が一切不明です。(ただし、奈良県近代化遺産調査報告書には掲載されているかもしれません。ただ、そうなるとすでにチェックして報告している人がいるはずですが…)

そしてこれだけの洋館が見向きもせずに放置されている現状は、やはり古都奈良という土地柄だからでしょうか。国登録有形文化財はもちろん、指定文化財になってもおかしくはないこの洋館。最近内で奈良市内では近代建築をカフェや案内所等に再利用している例もあるわけですし何とか修復して再びレストラン等に再利用できないものでしょうかね。場所的にも好立地ですし、このまま朽ち果てて失われるのは惜しすぎると思うのですが。



besan2005 at 20:58│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 奈良県 | 住宅建築

この記事へのコメント

1. Posted by 信岡   2019年12月17日 02:17
横から失礼します。秘匿されておられますが、記事でもお延べのとおり貴殿なりの理由があってのことでしょうが、隠してたんじゃ逆効果では?人知れず解体されてお終いになってしまうだけだと思うのですが。解体がお望みですか?ちがうのならキッチリ場所や「旧○○(店名)」と示したほうがよろしいかと思われます。旧播磨銀行の経緯のように、一人の注目がきっかけとなって活用化へ道筋が付くかもしれません。
2. Posted by 信岡   2019年12月17日 02:18
正・旧網干銀行でした。訂正します。
3. Posted by BESAN   2020年01月23日 15:10
廃墟という性質上、具体的な場所を明かすことにより荒らされることを危惧してのことです。和歌山市の旧由良邸の惨状を見ればわかると思いますが。
あと、取り壊しを望んでいるわけではないことは記事本文を読めばご理解いただけるかとは思いますが。以上です。
4. Posted by 信岡   2020年05月19日 05:40
以上です、じゃなくてさ
荒らされるなんてことは無いでしょうよ。旧網干銀行の件をご存じないのですか?
5. Posted by 信岡   2020年05月19日 05:44
以前の書き込みを含め、こちらの口調が悪かったため意図が伝わってないのかもしれませんし、もしそうであれば当方も少々悪かったかもしれませんが、当方も奈良在住ですので、貴殿の主張に従うとして具体場所はともかく、当方以外の閲覧者のためにもヒント程度は示してください。だいいちここを読む人は近代建築に興味のある人くらいです。荒らすような人は検索して来てまで読みません。
6. Posted by 洋館好き   2020年05月19日 23:03
素晴らしい記事、ありがとうございます。

古い日本様式の建築が多い街ゆえに、こういった洋風の建築は、なかなか評価されないのでしょうか…。神戸なんかだと、間違いなく、文化財ですけどね。

コメント欄荒れ気味みたいですが、なんといいますか、「場所は伏せるが、近代建築を愛好している人には是非とも頑張って見つけてほしい」そんな意味が込められているような気がします。だからこその「場所の詳細は伏せます」です。まぁ、近代建築だって、他人の持ち物ですからね。勝手に見つけるんは自由です。暗黙の了解みたいなものです。


さて、「ここを読む人は近代建築に興味がある人くらい」というフレーズ、非常に気に入りました。コロナが落ち着いたら、ぜひ志賀直哉旧宅付近を散策されると良いかと思われます。
7. Posted by BESAN   2020年06月08日 08:01
信岡様
廃墟という性質だからということを理解できませんか?普通の管理されている近代建築と違い、外観だけの見学ならまだいいですが、廃墟マニアの中には内部に進入したり肝試しで内部に入って荒らす輩もいるんですよ。言い方にムカついたので今後一切お答えしません。このコメント欄をよく読めばヒントがありますけどね。自分で頑張って探してくださいな。奈良在住なら時間があれば行けるでしょ。
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