2020年05月08日
舞鶴市北吸地区にある防空監視哨
舞鶴市・東舞鶴の北吸地区、国道27号線を挟んだ赤煉瓦倉庫群の向かいの斜面にコンクリート造の防空監視哨が1つ残されています。
防空監視哨は、来襲する敵機の監視、報告を任務とする施設で、民間人で構成された防空監視隊が任務に付き、将校や下士官が指揮などを取ってました。
反対側の角度から。実寸はしてませんが、そんなに大きくはなかった(幅1.5mくらいかな?改めて実寸してきます。)です。コンクリートの質はあまり良くなく、戦争末期頃の構築に思えます。ちなみにアジア歴史センターで検索しましたが、該当する資料は見当たりませんでした。
監視窓のスリットの上に穴が開いてますが、もしかして機銃掃射の際の弾痕でしょうか・・・?
この防空監視哨は海軍桟橋(現・海上自衛隊北吸桟橋)と舞鶴海軍工廠の方面を向いており、主に舞鶴海軍工廠へ来襲する敵機の監視を目的としていた物と思われます。ちなみに、奥に見える2つの建物も旧海軍時代の建物。向かって右側に赤煉瓦倉庫があります。
内部。かなり狭いです。1人か無理して2人が精一杯かと思います。監視窓のスリットは3方に開いていますがやはり監視のメインは正面側の舞鶴海軍工廠だったのでしょう。
参考として呉市にある防空監視哨。舞鶴市のと比べて大型です。舞鶴市にもかつては複数の防空監視哨があったと思われますが、現在は今回記事にした北吸の物しか知られていません。(もしかしたら舞鶴海軍工廠の裏山か敷地内に残されているかもしれませんが、JMUの敷地内なので確認は不可能。)舞鶴市の広報や赤れんがパークにある案内板には触れられてませんが、現在見ることのできる舞鶴市内の防空監視哨としては唯一の物で貴重な遺構と思われます。