2021年05月05日

舞鶴市・空山防空砲台第一・第二聴測照射指揮所跡探索レポ日記

広域配置図









空山防空砲台位置図





去年、フォロワーさんの報告により舞鶴市の空山に防空砲台の遺構群が多数残されていることを知り、2020年12月13日に空山防空砲台の探索を行いました。その結果、砲座跡・指揮所跡・油庫・貯水槽等の多数の遺構を確認しました。その時の探索の記事についてはすでに公開しておりますので、そちらをご覧ください。

舞鶴市・空山防空砲台遺構探索レポ日記

しかし、前回は単独行動であったため、大規模な遺構の現存が想定される第一・第二聴測照射指揮所の遺構に関して、安全面の観点から見送っていました。そして今回、情報を頂いたフォロワーさんを含む数人のフォロワーさんと共に改めて未探索であった第一・第二聴測照射指揮所の探索を行う事にしました。第一・第二聴測照射指揮所には射撃用のS24号電波探信儀がそれぞれ設置されていました。

最初の探索地は第一聴測照射指揮所跡地。東側の峰に位置する箇所です。進入路は兵舎跡の裏より道が延びてるようなのでそちらから向かいます。
第一聴測照射指揮所遺構配置図







第一聴測照射指揮所跡遺構配置図。一応現地で描いた見取図を元に作成しましたが、
あくまで大体の位置であることをご了承ください。
1境界杭










かつての軍道跡の両脇に建つ境界杭。
2境界杭













海軍用地なので「海界」となっています。境界杭はコンクリート製。

5電探台座










3電探台座










境界杭は奥まで続き、それを目印に進んでいくと階段のある台座が。
4台座スリット










台座には2本のスリットが。これは探照灯の台座ではとのこと。
IMG_0276










そばに落ちていたケーブル。舞鶴周辺の防空砲台によれば、空山には追尾式150センチ探照灯が設置されていたとのこと。その探照灯がここに設置されていたようです。
7第一聴測照射指揮所跡










探照灯台座跡よりさらに奥に進むと、開けた場所が現れ、煉瓦やコンクリートの廃墟が現れます。ここが第一聴測照射指揮所の跡地。進駐軍による爆破により完全に破壊されています。
6便所跡










便所跡。第一聴測照射指揮所の跡地で比較的残存度の良い遺構。
8電動発電機室跡










電動発電機室跡。こちらも破壊されています。
9電動発電機室跡










内部。壁面は半分だけの状態になっています。躯体は煉瓦造で表面は化粧モルタル塗りで仕上げています。
この第一聴測照射指揮所跡地の背面に巨大な聴測所がありました。
10聴音機格納室










聴測所入口にある聴音機格納室。先のサイトでは97式聴音機となっています。
12聴測所入口










照射射撃専用電探があった箇所。直径約48m巨大なすり鉢状となっています。先のサイトによると、空山には13号電波探信儀1組、S24号電波探信儀2組があったとなっています。ここにはS24号電探が設置されていたようです。

第一聴測照射指揮所を後にし空山展望台へ戻った後、西側の峰にある第二聴測照射指揮所跡へ。
第二聴測照射指揮所遺構配置図







第二聴測照射指揮所跡遺構配置図。第一と同様に大体の位置を記したものですのでご容赦。
13境界杭









14境界杭










こちらも第一聴測照射指揮所と同じく軍道を挟む形で「海界」のコンクリート製の境界杭がありました。
15電探台座









16電探台座










さらに先に進んだ先には石垣が。
17電探台座










上部にはコンクリートの台座が。恐らく第一聴測照射指揮所でもあった探照灯の台座かと思われます。
18第二聴測照射指揮所跡










そしてその奥には第二聴測照射指揮所の跡地が。こちらも日本軍もしくは進駐軍の爆破により徹底的に破壊されています。
22便所跡










原形をとどめている便所跡。
19電動発電機室跡










第二聴測照射指揮所の電動発電機室跡は第一と違い躯体はほぼ完全に残されていました。
20電動発電機室跡










背面。
21電動発電機室跡










内部。第一と同じ煉瓦造に化粧モルタルで仕上げています。
23階段跡










照射射撃専用電探跡へと至る階段跡。第一では確認できませんでしたが、恐らくあると思います。
24聴音機格納室










聴音機格納室跡。こちらも土台は完存しています。
25聴測所入口










照射射撃専用電探があった箇所。第一とほぼ同規模のすり鉢状の地形で、こちらにもS24号電探が置かれていました。第二の方はコンクリート舗装が確認でき、電探へと引いていたケーブルを引き抜いた際の穴が開いていました。



besan2005 at 12:24│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 京都府 | 旧軍遺構

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