2021年11月21日
旧亀岡商工会館内部探索レポ日記
今年の10/17に探索した旧亀岡商工会議所。前回は内部には入れず外観のみの見学でしたが、
今回、内部でちょっとした展覧会が内部全体で行われていると知り、更には今回が最後の内部を見れる機会という事で、再び旧亀岡商工会議所へと向かいました。
旧亀岡商工会館は昭和33年に保津川下りの経営権を取得した阪急電鉄が保津川観光会館という宿泊施設を兼ねた商業施設として建設したのが最初で、昭和48年に保津川遊船企業組合が発足し、阪急電鉄が経営権を手放してからは亀岡商工会議所として使用され今に至ってます。数年前までは半地下の1階に店舗があり、各階の部屋の一部も事務所として利用されていましたが、老朽化が進み来年2022年2月に解体が決定しました。
※前回の探索レポ日記
旧亀岡商工会館探索レポ日記
あれから1ヶ月。一気に冷え込んだせいか、建物の外壁を伝う蔦は赤く紅葉していました。
正面玄関は2階にあります。玄関エントランスの案内図。
1階階段。横のスクリーンが特徴的です。
2階の表示。レトロなロゴです。
2階の物品運搬用のエレベーター。
エレベーターのボタン。もう長い間使われてなかったようです。
まずは1階を探索。
1階廊下。
反対側から。左側は改装されています。
レトロな「TOILET」の文字があるドア。
1階の部屋。やや改装されています。
比較的新しく見える机と椅子。ちょっとしたオシャレなホテルの洋室にも見えます。
机には何故かガンプラと
アルペジオのコミックが置かれていました。
別の部屋の休憩室の表示。保津川観光会館当時の表示でしょうか。レトロな字体です。
内部は廃品とかか放置されかなり雑多になっていました。かつての従業員の休憩部屋だったのでしょうか。
1階の小部屋。秋の柔らかな光が差し込んでいます。
1階には宿泊施設として機能していた保津川観光会館時代の名残を残す箇所があります。
ドアに家族風呂の文字がある浴場。
こちらは小さめの浴場。
隣には大き目の浴場があります。
大浴場の窓。
洗い場の蛇口。かつては多くの宿泊客で賑わっていたのでしょうか。
洗い場にはまだ木製の手桶が残されていました。
床には外から吹き込んだ落ち葉がもう使われなくなって久しい大浴場の床を彩っていました。
浴槽のタイル。今ではもうタイル張りの浴槽も見かけなくなりました。
保津川観光会館時代の姿を色濃く残す家族風呂跡。宿泊客で賑わっていた様子が目に浮かびます。
続いて3階へ。階段の手摺などのデザインがまさに戦後モダニズムといった感じです。
中々良い雰囲気の階段。
3階廊下の窓。保津川が良く見えます。
見晴らしは良かったのでしょう。
3階廊下。
3階小部屋の窓。
3階廊下。3階は宿泊客の客室だったようで、廊下を挟んで両側に部屋が並んでいます。
廊下の洗面台。こういうのを見ると、かつては宿泊施設だったんだなと感じます。
旧客室。元々は畳等が敷かれていたのでしょうか。
木製のドアは当時のままのようです。
旧客室の窓。
旧客室から廊下側の窓を見る。
別の客室。
保津川が良く見えます。保津川側の部屋の方が割高だったのかもしれません。
亀岡駅側の客室からは新しくできた亀岡サンガスタジアムと去年開業したサンロイヤルホテルが見えます。かつての宿泊施設から今の宿泊施設を眺める。
客室から廊下側を望む。
この客室は何か凄いことになってました。
3階廊下奥にある大部屋。
最近までは事務室として使用されていたようです。
不在の文字が寂しく感じます。
3階角部屋。恐らく和室だったと思われます。
続いて4階へ。
4階階段。戦後モダニズムは基本私にとっては範疇外ですが、この階段のデザインは気に入りました。
この手摺の感じのよさ。しばらく眺めていました。
4階にある和室集会所。
和室という性質からか、他の部屋より痛みが大きいです。
それでもかつては凝った造りだったことが分かります。
天井は船底天井。保津川下りも意識して採用したのでしょうか。
床の間もあります。
床柱も杉の絞り柱。結構いい材を使ってます。
天井の照明。
縁側。
縁側の照明のカバーは組木細工といった凝りよう。
床の間の横、平書院は塗り残し窓になってます。
保津川観光会館時代は宴会場としても使用されていたのでしょうか。
数寄屋造と書院造を合わせた本格的な和室です。
4階小部屋から亀岡サンガスタジアムを望む。
4階洗濯室。宿泊客の浴衣などを洗濯していたのでしょうか。右のドアは便所。
4階廊下。右側は改修されて最近まで使われていたようで、セコムのロックがありました。
4階廊下から外を眺める。
4階廊下奥にある大きな部屋。大会議室だったのでしょうか。
何故かぽつんと置かれているレトロな扇風機。部屋自体は綺麗に管理されています。
4階窓。
4階角の大部屋。今はゴミで溢れていますが、かつては宴会場とかだったのかもしれません。
残された牡丹の部屋名表と思われるもの。ちなみに一般客向けの食堂は1階にありましたが、今回は入れませんでした。食堂へは玄関とは別の入口があり、そこから入って利用していたようです。
4階までを見学し外に出ます。
1ヶ月前はまだ青々としていた木々の葉はすっかり色づいてました。
今回の内覧で本当の見納めとなる旧亀岡商工会議所。
約60年間、保津川下りの観光客等を見続けてきたこの建物は、来年2月に姿を消します。