2024年01月14日

神戸海軍操練所跡・神戸港第一波止場防波堤跡発掘調査現地説明会レポ日記

2神戸海軍操練所現場入口










神戸市で開催された、神戸海軍操練所跡と神戸港第一波止場防波堤跡の発掘調査の現地説明会に参加してきました。神戸港のウォーターフロント再開発事情に伴う工事の事前発掘調査で見つかった遺構群であり、幕末〜明治期にかけての神戸港の成り立ちを物語る貴重な発見となりました。
今回の調査で重要な点は3つ。
)詼期の江戸幕府により築造された神戸海軍操練所の石積み遺構。
⊃生由港時に築造された明治初期の第一波止場の石積み防波堤。
L声C羇までに行われた第一波止場防波堤を修築・増築した遺構と信号灯・信号所の基礎遺構。
となります。
3調査区全体図









※現地説明会で配布された資料に掲載されている発掘現場の全体図。赤枠で囲んでいる部分の遺構が、第鬼の幕末期の神戸海軍操練所時代の石積み遺構(赤枠はブログ管理者による加筆)。

まずは幕末期の神戸海軍操練所跡の遺構。
1神戸海軍操練所記念碑










神戸海軍操練所は元治元年、幕府の軍艦奉行であった勝海舟の進言で設立した海軍士官の養成機関と海軍工廠を合わせた日本海軍発祥の地ともいえる施設でした。
塾頭は坂本龍馬。神戸海軍操練所は幕府の機関でありながら、幕府の終焉を予想していた勝海舟により、討幕派の志士も多く集っていました。
勝海舟は禁門の変で軍艦奉行を罷免され、神戸海軍操練所は慶応元年に閉鎖。明治に入り、神戸海軍操練所の跡地を利用して第一波止場の防波堤が築造されました。

3現場全体










発掘現場全体。幕末期の神戸海軍操練所跡と神戸開港時の明治初期の第一波止場の防波堤遺構、明治中期までの防波堤増築部分からなる近世近代の複合遺構です。
4神戸海軍操練所石積










北から撮影した幕末期の神戸海軍操練所跡の石積み遺構。遺構は手前の石積みで、表面は見学路の反対になるので、鏡で映しています。
5神戸海軍操練所石積










一番北側で確認された神戸海軍操練所跡の石積みの表目面。
いわゆる城郭にも使われた切込み接ぎともいえる布積み。
6神戸海軍操練所石積










その南側で確認された石積み遺構。
7神戸海軍操練所石積










一番南側で確認された石積み遺構。神戸海軍操練所跡の石積みは第一波止場防波堤の下に埋もれる形で、約26mほど現存しているようです。
これらの石積みを勝海舟や坂本龍馬が見ていたかもしれないかと思うと、感慨深いものがあります。

そして、明治初期の神戸開港時に築造された第一波止場防波堤、それ以後の明治中期までに行われた防波堤の修築・増築の跡と信号灯・信号所の基礎遺構。
8第一波止場防波堤石積










明治初期〜明治中期までの第一波止場防波堤遺構。西から撮影。
9第一波止場防波堤石積










第一波止場防波堤の石積み表面。第鬼の幕末の神戸海軍操練所時代の石積みを土台として利用し、その上に第挟の神戸開港時の第一波止場防波堤が築造され、明治中期までにさらにその上にほ防波堤が増築されました。
10第一波止場防波堤石積










北から。防波堤の構造がよく分かります。
11信号灯基礎










明治中期までに建設された信号灯の基礎。新旧の2時期あります。
12信号所基礎










同時期の信号所の基礎。
13明治時代中期第一波止場の様子








※現地説明会資料より引用・加筆。
この第一波止場の防波堤と信号灯・信号所は、明治中期に撮影された古写真に写されています。
奥に見える白亜の洋館は初代神戸税関。そこから左側は外国人居留地で、現在の海岸通りになります。
14古写真アングル










古写真とだいたい同じアングルで撮影。今から130年以上前に撮影された古写真に写る防波堤や施設と同じものを実際にこの目で見ている感動。
IMG_7127










見学路の足元には明治期の石積み防波堤の天端が露出していました。
第一波止場防波堤は時代とともに埋められていき、阪神高速道路建設の際に完全に埋め立てられました。そのおかげか良好な状態で遺構が発見され、神戸港の成り立ちを知る重要な近代の遺跡と判明しました。今回発見された遺構はまだ検討中ですが、敷地が神戸市所有であるため、保存整備の方向が検討されているようです。整備された後の姿を楽しみにしたいものです。
15出土遺物










その他、出土品など。中世の室町時代の五輪塔や宝篋印塔の部材なども使用されていたようです。
16出土遺物










石製の建物の部材も見つかっています。居留地時代の洋館の部材を修築や増築時に利用したのでしょうか。

今回の現地説明会は事前予約制で、土曜日と日曜日に確か4回、100名ずつくらい枠があったと思いますが、12日の締め切りを待たずに定員が埋まってましたね。やはり幕末。それも坂本龍馬ゆかりの遺構発見となると人気を呼びますね。

besan2005 at 11:57│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 兵庫県 | 近代化遺産

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