2025年10月13日

兵庫県豊岡市但東町〜京都府京丹後市久美浜町〜網野町木津の近代建築探索レポ日記。

今回は国道482号線〜312号線〜178号線沿いの近代建築を巡ってきました。
まずは兵庫県豊岡市但東町へ。

1加藤百貨店 豊岡市但東町中山 










加藤百貨店。兵庫県豊岡市但東町中山。アーチを多用した洋風の外観。
2加藤百貨店










3加藤百貨店










背後は町屋の典型的な看板建築ですが、当時は珍しい洋風の外観で目を引いたことと思います。
4加藤百貨店










正面中央には加藤百貨店の店名が掲げられています。

5料理旅館か 豊岡市但東町中山 










元料理旅館か。兵庫県豊岡市但東町中山。加藤百貨店の向かいにあります。
入母屋の玄関があり、2階には数寄屋風の窓がある一方、多くの窓は洋風の窓を持つ大規模な建物。
6料理旅館か










隣には立派な庭があるようです。

7工場棟か 豊岡市但東町中山










工場棟か。兵庫県豊岡市但東町中山。下見板張りの大形の建物。
8工場棟か










工場か何かだったのでしょうか。
ここから京都府に入り、京丹後市の久美浜町へ。

9旧校舎か 京都府京丹後市久美浜町橋爪










旧校舎か。京都府京丹後市久美浜町橋爪。京都府立丹後緑風高校久美浜学舎の向かいにある木造の古い建物。

10旧校舎か










京都府立丹後緑風高校は2020年に京都府立久美浜高校と網野高校が統合して誕生。久美浜学舎は元久美浜高校で、この校舎らしき古い木造建築はかつての久美浜高校の校舎だった可能性があります。
※久美浜高校の前身の久美浜農学校は明治35年開校。

11向町公民館 京都府京丹後市久美浜町向町










向町公民館。京都府京丹後市久美浜町向町。郊外でよく見かける戦前の公民館建築。
12向町公民館










ちょうど秋祭りの準備中でした。
次に久美浜町の中心地へ。

15旧久美浜町役場 京都府京丹後市久美浜町 昭和7年










旧久美浜町役場。京都府京丹後市久美浜町。昭和7年。いかにも地方の役場建築といった建物で良い雰囲気。
16旧久美浜町役場










修復され現在はカフェに。こうして大切にされているのを見ると嬉しくなりますね。
20251011_081725










正門も残されており、かつての役場としての威厳が保たれています。

14料理旅館か 京都府京丹後市久美浜町










元料理旅館か。京都府京丹後市久美浜町。駅前にある小さな建物ですが、玄関の唐破風屋根がただの民家ではないことを物語ってます。

17旧久美浜県庁舎玄関棟 京都府京丹後市久美浜町 明治3年










旧久美浜県庁舎玄関棟。京都府京丹後市久美浜町。明治3年。神谷太刀宮の敷地内にある建物。
旧久美浜県は明治元年に設置され、これまで使用した旧久美浜代官所が手狭になったため、新たな県庁舎の建設が決定。明治3年に完成しましたが、明治4年に豊岡県と生野県に編入され久美浜県が廃止。
久美浜県庁舎は移築され豊岡県庁として使用された後、大正12年に玄関棟のみが現在地に移築されたということです。
18旧久美浜県庁舎玄関棟










このように旧久美浜県庁舎玄関棟は現存最古の県庁建築であり、第1次府県統合(明治4年)以前の唯一残る県庁舎として大変貴重であり、京都府指定文化財となっていますが、修繕費用が中々賄えずかなり老朽化しています。
19旧久美浜県庁舎玄関棟








大屋根の棟は大きく歪み、瓦は落ち、屋根の一部は雨漏りが酷いのか仮屋根が設置されている有様。
このままでは大きめの地震や台風が来れば倒壊するでしょう。
13久美浜駅








ちなみに久美浜駅舎は、この旧久美浜県庁舎玄関棟を模しています。まさに町のシンボル的な建物ですが、解体修理となると億単位の予算となり、小さな町では捻出できない状態。旧久美浜町役場のようにきれいに修理されてまた復活してほしいところですが。町が厳しいなら何とか京都府の方で補助できないものでしょうかね。
続いて久美浜湾側へ。

20久美浜公会堂 京都府京丹後市久美浜町 昭和5年








久美浜公会堂。京都府京丹後市久美浜町。昭和5年。
21久美浜公会堂








正面は和風の外観ですが、側面は近代的な外観。

22久美浜公会堂








反対側。
久美浜公会堂ロゴ入り







所有する竣工当時の久美浜公会堂の古絵葉書。95年経った今でも修復されて当時のままの姿で使われているのは嬉しい限り。それだけに旧久美浜県庁舎玄関棟が何も手を付けられず朽ちるに任せた状態なのが悔やまれます。

23久美橋 昭和9年








久美浜町の市街地には昭和初期に架けられたRC橋が残されています。昭和2年に発生した北丹後震災後の震災復興橋と思われます。こちらは昭和9年完成の久美橋。
24新橋 昭和5年








こちらは新橋。昭和5年完成。久美橋と新橋は50mくらいの距離ですが、デザインが違うのが面白いですね。

25旧大阪日報社 京都府京丹後市久美浜町








大阪日報社ゆかりの建物か。京都府京丹後市久美浜町。
2023年のストリートビューの画像を見ると、現在は失われている塀に「大坂日報発見の地」の看板があります。大阪日報社の社長で、宮津市にあった天橋義塾の創立者である小室信介ゆかりの地という感じで看板には書かれてますが、今となっては不明で、検索しても確定できる情報は出てきません。
26旧大阪日報社








背面。建物は民家としては大きく、ただの住宅では無かったと思われますが、おそらくかつての家主が書いたと思われる看板は失われ、空き家となってしまった今となっては何も分かりません。この建物も近いうちに姿を消すでしょう。
久美浜町を後にし、次は京丹後市網野町の夕日ヶ浦温泉方面へ。

27旧郵便局 京都府京丹後市網野町木津








旧郵便局。京都府京丹後市網野町木津。可愛らしい洋館の旧郵便局です。
28旧郵便局








詳細不明ですが、旧木津郵便局ではと思われます。
29旧郵便局








綺麗に修復されて現在は別の用途に使われているようです。
30旧郵便局








31旧郵便局








内部を覗くと当時のカウンターや電話室がそのまま残されていました。
文字








カウンタにこの建物の沿革が書かれているようですが、文字がボケてて読めない・・・
(ズームで撮ればよかったと今更後悔)。色々手を尽くしてみましたが、全くダメでした。
この旧郵便局に関する情報をお持ちの方は教えていただけたらと思います。

32ゑびすや大正館 京都府京丹後市網野町木津 昭和5年








ゑびすや大正館。京丹後市網野町木津。昭和5年。
温泉旅館として建築された建物で、全体は和風ながらも正面玄関は洋風のデザインで、内部のアールヌーボー調の内装も大きな照明も当時のまま使用されています。
33ゑびすや大正館








以前は白い外観で、ゑびすや旅館の文字がありましたが、経営母体が変わったのか現在は真っ黒な外観に。それでも貴重な戦前の旅館建築をそのまま使用されているのは嬉しい限り。
Googleレビューの内部写真を見たら、アールヌーボー調のロビーや松本清張が使用したという書斎室、そして各所にステンドグラスがあったりするようです。
現在、大正館では宿泊はできず、事前予約での見学のみらしいです。機会を見て見学したいなと思ってます。※公式サイト

この近くに近年まで昭和20年築で兵舎としての使用も念頭に置かれた旧木津小学校校舎があったのですが、残念ながら現在は失われており、もう少し早く来ればよかったかなと後悔。ただし、そのすぐ近くに似たような外観の建物があることが分かり、スルーしてしまったのが悔やまれます。また機会があれば。


besan2005 at 21:24│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 京都府 | 近代化遺産

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