鳥取県
2021年08月09日
鳥取市の近代建築探索レポ日記
2021年8月7日に鳥取市内の近代建築を探索してきました。車で向かい、午前7時30分に鳥取城近くの駐車場に到着。そこから市街地の近代建築を徒歩で探索。炎天下の中、約5時間の行軍という結果となりましたw
まずは鳥取市を代表する近代建築である仁風閣。実は仁風閣は市街地の探索の後に向かったのですが、こちらでは先に紹介。
仁風閣は池田侯爵の別邸として鳥取城内の旧扇御殿跡地に明治40年完成。後に当時皇太子だった大正天皇の山陰行啓時の御宿所にも利用されました。設計は片山東熊。
大正期には鳥取市の所有となり、迎賓館や公会堂として使用。国指定重要文化財。映画「るろうに剣心」の武田観柳邸のロケ地としても知られています。
仁風閣階段。
謁見の間だったかな。
1階大広間。
大広間窓。
2階。
食堂。
2階のサンルーム。明治大正期の西洋館にはつきものですね。
これより鳥取市街地に残る近代建築探索。
N邸。西町。
昭和初期?気になった建物。
K邸。湯所町。昭和13年。大規模な洋館住宅です。
鎧戸のある気になった洋風住宅。湯所町。
旧鳥取武徳殿。湯所町。昭和6年。設計・置塩章。昭和46年に移築され天徳寺の本堂として使用されています。県民の建物100選。
本堂の隣にある庫裏。これも移築建物?
旧鳥取県立図書館。西町。昭和5年。設計・置塩章。
外観保存され、現在は「わらべ館」という展示施設となっています。
玄関部分。
偶然見かけた建物。コンクリートブロックの建物です。西町。
どう見ても戦前の造りにしか見えなくて。
反対側。
玄関にある郵便受け。戦前の建物で良く見られる壁に直接作り付けられたもの。現在は空き家ですが、もし戦前の建築なら、戦前のコンクリートブロック建築として貴重なのでは。コンクリートブロック建築と言えば思い浮かぶのは本野精吾。まさかね・・・。
五臓圓ビル。二階町。昭和6年。国登録有形文化財。
玄関部分の表札。現在も1階は店舗として使用されています。
旧鳥取刑務所所長官舎。行徳。明治24年。県民の建物100選。
和風の割と質素な建物です。現在は行徳苑という憩いの家として使用。
浅井商店。寿町。昭和初期頃でしょうか。2階部分のベランダが特徴的。
I邸。寺町。大き目の洋館付き住宅。
洋館付き住宅。馬場町。割と複雑なデザイン。現在はNPO団体が使用しているようです。
気になった建物。玄関部分の屋根がシャレてます。
旧尾崎家住宅洋館。栗谷町。大正12年。県民の建物100選。
奥まった住宅地の中にハイレベルの洋館がありました。
2階部分のアップ。いかにも大正期の洋館住宅と言ったところ。
背面。
I邸。上町。大正期。
比較的大きい洋館ですが、大正期にしては装飾が乏しい。外壁を改修したっぽい。
旧佐々木家住宅。上町。昭和6年。昭和21年増築。鳥取市指定文化財。県民の建物100選。
元は医院として建てられたものの、医院としては使用されずそのまま個人宅に。戦後GHQの接収時に増築され現在に至っています。
現在は樗谿グランドアパートとなっています。
テラス部分は装飾に富み華やか。
内部も当時の面影が残されています。
旧佐々木家住宅の隣の住宅も戦前っぽい。
旧佐々木家住宅の隣の洋館。結構背の高い建物です。
玄関部分。現在は空き家。
旧医院の建物か。立川町。旧医院としたのは別の所でよく似た旧医院の建物を見たから。なので、詳細に関しては不明です。
門脇構造研究所。立川町。
昭和初期頃と思われる洋館住宅で、六角形の屋根の小さな塔屋を持つ中々優れた建物なのですが、庭木が邪魔で全体を確認できません。
かろうじて玄関側は建物の様子を見ることができます。
卯垣公民館。卯垣。
偶然見かけた建物。昭和初期頃でしょうか。
旧陸軍歩兵第40連隊兵舎。立川町。明治31年。県民の建物100選。
かつての兵舎が三洋電機の敷地内に2棟残されています。
現在、旧陸軍の兵舎が並んで残されている場所はかなり貴重です。
旧陸軍歩兵第40連隊将校集会所。正面の写真は敷地内に入らないと撮影できません。
将校集会所の背面にあるコンクリート造の剣術道場。昭和9年。
近年まで他にも連隊本部・大隊本部などの建物が数多く残されていましたが、再開発により現在は失われています。
旧鳥取高等農業学校本館。南吉方。昭和6年。県民の建物100選。
近年外壁を改修し、現在は企業の事務所として使用されています。
ここまでで徒歩による鳥取市内の近代建築探索は終了。仁風閣へ戻った時点で12時30分。7時30分に出発して実に5時間の行軍。しかも炎天下での徒歩による探索でかなり堪えました。
最初に紹介した仁風閣と鳥取城跡を見学した後、車で郊外の近代建築探索へ。
円通寺簡易郵便局。円通寺。大正期。昭和8年移築。
元々は倉田郵便局だったのを昭和8年に移築したようです。
玄関部分。郵便マークがあります。
旧岸医院。河原町。大正初期。
現在は個人宅ですが、岸医院の表札はそのまま残されています。岸医院は少し離れた場所で今も営業しています。
旧山陰合同銀行河原支店。河原町。大正4年。
いかにも大正期の銀行建築といった感じで素敵な洋館。現在は個人宅。ちょっと羨ましいw
この近くに洋風住宅があり、それの撮影で〆たかったのですが、家の前に人が乗った車がずっと停まっていて、残念ながら撮影できず・・・
以上で鳥取市の近代建築の探索終了です。この後はホテルに戻り朝までゴロゴロ過ごしました。
鳥取城にももちろん行きました。これは復元された大手門。鳥取城は失われた櫓などの建物を復元整備する計画があるようです。
鳥取城天球丸の巻石垣。全国でも珍しい球体の石垣です。